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協会誌「熱供給」 vol.104/2018号(平成30年2月9日発行) 刊行物 | 一般社団法人日本熱供給事業協会

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(1)

楩 サ ス(楩 地域)

S ン ー に る サ ス は、2008年3 20日に ン オー ンし、 の3 で10 年を る。エ の ン ー で る ー の 部には な スト ン オシ な など か、 地 の S では年 を て なイベント 開 て り、 日 日 多くの人で 楩 のラン マーク

楩 のラン マーク

がシン ル ー

日本 大 の とつ・ 榤記念物の 島県 「 」の子 樹。 11 100本の が しめる楩 サ スのシン ル ー

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日本 大 の とつ・ 榤記念物の 島県 「 」の子 樹。 11 100本の が しめる楩 サ スのシン ル ー

画にも

楩 の楩 i タワー直 出 には 楼 画 の 画「 樹木図」

画にも

楩 の楩 i タワー直 出 には 楼 画 の 画「 樹木図」

市都

におけるまちづくりと

環境エネルギー

の一体的展開

対談

 

 

× 

大学

大学 都市イ ベーシ ン 都市科学

市 まちづくり楂 都 まちづくり推進

(平

3

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行)

日本熱供給

A

都 ビル

2018

vol.

熱供給

District Heating & Cooling

104

104

のあるまち

差が15 ある楩 サ スの インスト ートは「Sacas 」。「 asa a Sacas」を から と

「S C S S 」で3つの にな ている。まちの名前には「 かす」の意 と、「 」とい まちの が表現されている のあるまち

差が15 ある楩 サ スの インスト ートは「Sacas 」。「 asa a Sacas」を から と

「S C S S 」で3つの にな ている。まちの名前には「 かす」の意 と、「 」とい まちの が表現されている 椩 のエンターテイン ントを発信する2つの文化 設

ライ ス「楩 T 」( 大 椂椩1,418椂)は時代の 楻 をいく 文化を発信し、 場「楩 CTシ ター」 ( 大 楝椩1,324楝)はミ ージ ル 落語な 椩 の ・衝 エンターテイン ントを 供している

椩 のエンターテイン ントを発信する2つの文化 設

ライ ス「楩 T 」( 大 椂椩1,418椂)は時代の 楻 をいく 文化を発信し、 場「楩 CTシ ター」 ( 大 楝椩1,324楝)はミ ージ ル 落語な 椩 の ・衝 エンターテイン ントを 供している

T S 槨センターの前に広がる楩 サ ス

楩 サ スは「T S 槨センター」、 フ スと 業 設の「楩 i タワー」、 場の「楩 CTシ ター」、ライ スの「楩 T 」、 の「楩 ジ ンス」からなる 合 設。その に「Sacas広場」とい イベント広場がある。全体 地面積は 1

T S 槨センターの前に広がる楩 サ ス

(2)

諸外国からの国賓等を迎える迎賓 館赤坂離宮は、明治 42 年(1909 年) に「東宮御所」として建設された日 本最初の西洋風宮殿建築。当時の日 本の芸術工芸界の粋を結集してつく られた迎賓館本館は、日本唯一とも 言われる宮廷建築家・片山東とうくま熊の設 計だ。偉容を誇るシンメトリーの外 観。精緻な金の装飾や煌めくシャン デリア等、数々の芸術品に溢れた豪 華絢爛な室内。まさに「宮殿」とい う美しい空間が広がっている。

この迎賓館は、2016 年 4 月から、 接遇に支障がない範囲で一般公開さ れることになった。事前予約なしで も、当日受付で、本館・主庭・前庭 の鑑賞が可能。和風別館も事前予約 で鑑賞可能となっている。

2009 年に国宝に指定された宝箱 のような建物。赤坂にお越しの際は、 ぜひ参観されることをお勧めする。

C O N T E N T S

02 熱供給がある街⑳ ◆ 赤坂周辺の観光スポット 「迎賓館赤坂離宮」

03 連載 ◆ 世界遺産から見えてくる日本⑲ 東大寺~甦り続けた巨大建築群~

矢野 和之(修復建築家・日本イコモス国内委員会事務局長)

05 対談 ◆ これからの地域熱供給を語る④

札幌市都心部におけるまちづくりと環境エネルギー施策の一体的展開

佐土原 聡 × 髙森 義憲

(横浜国立大学 大学院都市イノベーション研究院長 (札幌市 まちづくり政策局 都市科学部長 教授) 都心まちづくり推進室 室長)

10 COMMUNICATION SQUARE

都市環境エネルギー協会・日本熱供給事業協会共催。 「自治体担当者のための都市環境エネルギーセミナー 2017」開催!

14 連載 ◆ 都市の環境性向上と省エネルギー推進を考慮した地域熱供給システムの展望     ─サステナブル社会構築の一端を担う地域熱供給システム─④(最終回) 省エネルギー・省 CO2を含む

多面的な観点からの地域熱供給システムの評価②

亀谷 茂樹(東京海洋大学 学術研究院 海洋資源エネルギー学部門 教授)

18 連載 ◆ 熱の Voice ①強みホルダー編

大阪エネルギーサービス㈱ 技術企画部 鈴木 邦彦 ②強みホルダー編

新都市熱供給㈱・新宿熱供給㈱ 施設部 主任 落合 祐介 20 連載 ◆ Close up town!! 全国熱供給エリア紹介④

ささしまライブ 24 地域(名古屋都市エネルギー㈱) 日本初・下水再生水(高度処理水)活用を開始した名古屋の国際・交流拠点の地域熱供給

22 NEWS FLASH

都市みらい推進機構・都市地下空間活用研究会共催「第 2 回見学会(プロジェクト説明会)」に協賛 /講演会「新しいまちづくりをささえるエネルギーシステム」にて、名古屋市内の 2 つの新しい熱 供給システムを紹介/「地域熱供給(地域冷暖房)実例集」発行。全国 136 地域(未稼働 2 地域含 む)の地域熱供給を紹介/ 3/30 ~ 4/1、新宿新南エリアマネジメントに向けた環境イベント開催!

熱 供 給 vol.104/2018 発 行 日 ● 2018 年 2 月 9 日 発行責任者 ●高野 芳久

企   画 ●一般社団法人 日本熱供給事業協会 広報委員会 制   作 ●有限会社 旭出版企画

印   刷 ●株式会社 キャナル・コンピューター・プリント

発   行 ●一般社団法人 日本熱供給事業協会

 東京都港区虎ノ門 2-3-20 虎ノ門 YHK ビル 9F

迎賓館赤坂離宮

住所:東京都港区元赤坂 2-1-1

電話:03-5728-7788(テレフォンサービス) 公開時間:10 ~ 17 時

     (前庭は16時半、本館及び主庭は16時受付終了) 休館日:水曜日

参観料金:前庭は無料。本館及び主庭、和風別館は有料 ※公開予定日、事前申込方法、参観料金など詳しくは下記参照 http://www.geihinkan.go.jp/geihinkan/akasaka/koukai.html

熱 供 給

谷 楩 り 7分、 東 トロ 谷 ( 内榑・南 榑)1 出 、

2 出 り 7分

新宿通り

紀の国坂

安 珍 坂

新宿

東 トロ 谷 ( 内榑) 東 トロ 谷

(南 榑)

学 院初等科 2

正門

楑門 東門 赤坂 用地

赤坂 ・

(3)

連載●

世界遺産から見えてくる日本

矢野 和之

東 大 寺 は、 正 式 に は「 金きんこうみょう光 明 四し て ん の う天王護ご こ く の て ら国之寺」といい、華厳宗の 大 本 山 で す。 天 平 時 代(8 世 紀 )、 聖武天皇は仏の加護によって国家の 平安と鎮護をめざして東大寺を造営 し、全国に国分寺(僧寺・尼寺)造 営を命じました。盧る し ゃ な ぶ つ舎那仏をおさめ た正面 88 m、奥行 52 m、高さ 47 mの金堂(大仏殿)、高さ 100 mに も及ぶとされる 2 基の七重塔、講堂、

巨大構造物の構造システムがよく判る南大門(鎌倉再建)

食堂、僧坊、南大門、中門、回廊等々 の巨大木造建築物群は、当時の東ア ジアでも有数の規模を誇るものでし た。まさに、古代日本の中心寺院と して存在していました。

造営された当時は、中国では唐と いう大帝国が成立し、朝鮮半島では 統一新羅が成立して、安定した東ア ジア情勢ではありましたが、国内で は疫病の流行や災害の多発、そして

政治的抗争の中でのことでした。 現在、東大寺の数多くの建造物の 中 で こ の 時 代 の も の が 残 る の は、 転て が い も ん害門や法華堂(正堂部分)などそ う多くはありません。それは、東大 寺が国家の中心で象徴的存在であっ たが故に、兵火に度々焼かれてしま ったからです。それも古代から中世、 中世から近世という日本の歴史の節 目節目に焼亡しては、必ず再建され

第 19 回

東大寺

(4)

   世界遺産 DATA   

◆登録名: 古都奈良の文化財 ◆所在地:奈良県奈良市 ◆登録年:1998 年

◆ 構成資産:東大寺を含めて全7資産  ※資産総面積616.9ha、   緩衝地帯総面積1,962.5ha ◆適用基準

(ⅱ) 建築、科学技術、記念碑、都市計画、 景観設計の発展に重要な影響を与え た、ある期間にわたる価値観の交流 又はある文化圏内での価値観の交流 を示すものである。

(ⅲ) 現存するか消滅しているかにかかわ らず、ある文化的伝統又は文明の存 在を伝承する物証として無二の存在 (少なくとも希有な存在)である。 (ⅳ) 歴史上の重要な段階を物語る建築物、

その集合体、科学技術の集合体、ある いは景観を代表する顕著な見本であ る。

(ⅵ) 顕著な普遍的価値を有する出来事(行 事)、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作 品、あるいは文学的作品と直接または 実質的関連がある(この基準は他の基 準とあわせて用いられることが望ま しい)。

①金堂(大仏殿)(江戸再建) ②金堂内部

③法華堂正堂(左)は奈良時代、礼堂(右)は鎌倉時代の増築 ④鐘楼(鎌倉再建)

⑤転害門

(修復建築家・日本イコモス国内委員会事務局長)

文化遺産保護に関わる国際的な非政府組織(NGO)です。

ユネスコの諮問機関として世界遺産登録の調査・評価等の活動も行なっています。 ICOMOS/国際記念物遺跡会議:International Council on Monuments and Sites

イコモス とは

てきました。ちなみに、近世から近 代の節目には戦乱による焼亡はあり ませんでしたが、廃仏毀釈がおこり、 全国の寺院が危機に瀕しました。し かし、東大寺大仏殿は「古社寺保存 法」という近代的な制度支援により 大修理がなされました。

創建時には良ろうべん弁上人が、鎌倉再建 時には重ちょう源げん上人が、江戸再建時には 公

こうけい

慶上人が、全国に勧進して成し遂 げました。特に重源は、巨大建築の 造営を合理的な架構と部材の標準化 によって可能とし、構造即意匠とい う近代建築の理念ともいえる先進性 に富む考えを持っていました。現代 におけるプランナー、建築家、構造 計画家を併せ持つ存在で、このこと

は世界的にも評価されるべき存在で しょう。重源の造営で現在に残るの は南大門ですが、運慶作の金剛力士 像(仁王像)とともに、そのリアリ ズムの極致を堪能できます。

(5)

札幌市都心部におけるまちづくりと

環境エネルギー施策の一体的展開

都市とエネルギーの一体的整備

佐土原 札幌市には地域熱供給(地 域冷暖房)の長い歴史があります。 そして最近、「都心エネルギーマス タープラン(案)」がまとまるなど、 まちづくりと環境エネルギー施策が 一体となった取組みを進められてい ます。取組みの経緯をお聞かせ下さ い。

髙森 札幌市で熱供給事業が始まっ たきっかけは、1972 年の冬季札幌 オリンピックです。大気汚染対策と

してのスタートでした。現在まで、 札幌駅を挟んで、南側で北海道熱供 給公社、北側で札幌エネルギー供給 公社という 2 つの熱供給事業者が熱 供給事業を行なっており、都心エリ ア(都心エネルギープラン対象区域 =札幌駅周辺からすすきの周辺まで 東 西 南 北 約 2km ほ ど の 約 300ha) にある延床面積の 57%、件数では 22%が地域熱供給に加入している状 況にあります。

 このように熱のエネルギーシステ

ムが広く面的に整備されていたこと もあって、2002 年に国が都市再生 緊急整備地域の選定を開始した際に、 札幌市では次の 2 つの構想・計画を 一体化させて、地域熱供給を活用し た都市再生プロジェクト案を立案し ました。それは、①その頃、熱供給 事業者が持っていた、一極集中型の プラントで高温水の熱供給を行なう 形から切り替えて、分散型のプラン トを整備して冷温水 2 系統の熱供給 を整備していこうという構想と、②

対 談 ● こ れ か ら の 地 域 熱 供 給 を 語 る

(6)

札幌市都心部におけるまちづくりと環境エネルギー施策の一体的展開

札幌市による、札幌駅前通に地下歩 行空間「チ・カ・ホ」を整備する計 画です。これらのタイミングが合致 していたので、札幌市では、それら を都市再生プロジェクト案としてま とめたのです。その結果、このプロ ジェクト案は、2004 年の都市再生 プロジェクトの第 8 次決定で、国か ら「地球温暖化対策・ヒートアイラ ンド対策モデル地域」に選定されま した。それで現在までに熱供給プラ ントが 3 つ、建設中が 1 つという整 備が進んできました。

佐土原 最初に、都市再生のモデル 地域として一体的取組みがスタート していたのですね。

髙森 はい。その後、こうした一体 的整備の取組みが、都心エネルギー 施策として加速していきました。き

っかけは、2011 年の東日本大震災 と、その翌年に、吹雪で登別市の送 電線の鉄塔が倒れ、登別市で最長 3 日間、室蘭市で約 1 日、電力供給が 停止したことでした。当時の市長が 「札幌でこういうことが起きたらど うなるんだ」と強い危機感を抱いた のです。それでもともと災害リスク が低いという評価を受けていた札幌 を、さらに「災害に強いまち」にす るべく、都心部において系統電力に 依存しなくても電力の継続的供給が 可能となるように、地域熱供給とあ わせて自立分散型のエネルギー供給 システムを整備していくことになり ました。その推進のために、2013 年、 都心まちづくりの統合部署である私 ども都心まちづくり推進室に「エネ ルギープロジェクト担当課」を設置

しました。

 なお、2020 〜 2030 年には札幌オ リンピック時に一斉に建て替わった 建物が、更新のピークを迎えると推 測されます。都心まちづくりのマス タープランである「都心まちづくり 計画」を策定して 10 年が経過し、 見直しをかける時期でもありました。 そういう時機も踏まえて、2016 年 策定の「第 2 次都心まちづくり計画」 と一体的に展開する環境エネルギー 施策の指針として「都心エネルギー プラン」の策定が進められてきまし た。「都心エネルギーマスタープラ ン」は、2050 年までに建物から排 出される CO2を 2012 年比で 80%

削減するといった「目標」や「将来 像」「基本方針」を定めたものです。

札幌都心エネルギープランの計画対象区域と現状の地域熱供給エリア(2016年時点)

熱電 ( ージ ネ ーエネルギー ー

エネルギー ー (熱の )

高 水・ 水・ 水

供給

エネルギー供給 社 熱供給エリア

熱供給 社 熱供給エリア

熱電

熱電

熱電

熱 熱

熱電

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( ージ ネ ー )

( 設 )

( ージ ネ ー )

( ージ ネ ー )

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熱供給 社 熱供給エリア

( 設 )

熱電

熱電

( )

(7)

対談●これからの地域熱供給を語る④

札幌都心のブランド化に貢献

佐土原 都市計画的な施策にエネル ギー関連の整備推進を組み込んで実 施していくということは、全国的に も新しい取組みですし、市役所内で も議論が起きたのではないかと思い ますが、いかがでしたでしょうか。

髙森 2013 年から 2 カ年かけて徹 底的に現状調査を行ない、施策の方 向感を「中間素案」としてまとめま したが、それを具体的にどう取り組 んでいくのかを検討する段階になっ た時に、投資効果の見通しを説明し て欲しいという要望が庁内から上が りました。庁内調整が必要でした。

佐土原 やはり財政的な意義付けが 必要になりますよね。

髙森 都心エネルギーマスタープラ ンでは、基本方針として「低炭素」「強 靭」「快適・健康」の 3 つを定めて いるのですが、投資の意義の説明に は、CO2削減とまちづくりを一体

的に展開することで、その基本方針 が実現していけることを主張しまし た。

 「低炭素」は既成市街地の更新に あわせた大幅な低炭素化や、建替え と投資の促進という効果が期待でき

ますし、「快適・健康」ということ では、熱導管のネットワーク整備に よってロードヒーティングが可能な 場所が増えれば、冬場の地上部にお ける市民の回遊性が向上します。「強 靱」ということでは、例えば災害の 際に大規模停電が起きても、コージ ェネなどを整備しておけば電力確保 が 可 能 と な る こ と で、 事 業 継 続 (BCP)等を重要視する企業が拠点 事務所の立地に選択してくれたりし ます。これらは市にとって大きなメ リットです。

佐土原 確かにそうですね。

髙森 三井不動産と日本郵便による 都市再生プロジェクトで、2014 年 に三井札幌 JP ビルディングが建設 されましたが、ここには北海道熱供 給公社の「赤れんが前エネルギーセ ンター」も設置され、コージェネを 活用して、電力、冷熱、温熱が供給 されています。そこに入居した保険 会社では、バックアップ拠点の設置 場所の検討の際に、札幌は災害リス クが低い都市であることと、BCP に優れたビルであることを高く評価 しました。こうした一体的な取組み は、札幌都心のブランド化に貢献す るものです。庁内で必要性を主張す るのにも、大きな実績となりました。

市民自身の計画と捉えられるために

佐土原 基本方針の「快適・健康」 については、エネルギーとの関連が あまり想像できませんが、ロードヒ ーティング以外に、どのようなこと があるのでしょうか。

髙森 「快適・健康」は、取り組ん

だ結果が端的に見せられるものを中 心に考えています。

 例えば先ほどの三井札幌 JP ビル ディングの開発では、もともとあっ た道路を廃止して、北 3 条広場とい う公共広場を整備しました。それか ら、都心中央を南北に走る創成川通 りの道路整備を実施した際には、ア ンダーパスを連続化することで地上 部の空間を増やし、川沿いに公園を つくりました。そうした様々なプロ ジェクトによって四季を通じて快適 に過ごせる屋外の公共空間や、再開 発で市民の皆さんが憩える屋内空間 などを整備・確保して、それを結ん で回遊できるようにすることで、楽 しく歩けて、健康につなげる。その ような形で取組みの効果を市民に享 受していただく。エネルギーとは直 接関係していませんが、一体的開発 の間接的な効果が期待できます。

佐土原 素晴らしいですね。「快適・ 健康」という目標が入ることで、市 民は自分たちの計画だという気持ち が持てます。身近な空間がどうなる かということを感じさせてくれるの で、とてもいい内容だと思います。  このような取組みは、実際にはど のように推進されていくのですか。

佐土原氏

(8)

札幌市都心部におけるまちづくりと環境エネルギー施策の一体的展開

髙森 都心エネルギーマスタープラ ンは 2050 年までの長期計画で、具 体的なプロジェクトは、10 年間の 中期実施計画「都心エネルギーアク ションプラン」で進めていきます。 アクションプランには具体方策とし て 6 つのプロジェクトを設定してお り、この 2017 〜 2018 年にかけて議 論して中身を詰めていきます。

上下分離の熱供給事業体制も視野に

佐土原 6 つのプロジェクトとはど のようなものでしょうか。

髙森 ①「基本条例制定」、②「誘 導推進制度構築」、③「分散電源活用・ 面的利用推進」、④「再生可能エネ ルギー導入促進」、⑤「スマートシ ティ化」、⑥「発信・交流」の 6 つ です。都心エネルギーマスタープラ ンの実現に向けた理念の共有のため に、基本条例の制定を考えています。

佐土原 誘導推進制度は、どのよう にお考えなのですか。

髙森 建物の建替えや更新にあわせ て、計画段階から様々な取組みを盛 り込んでいただくように、事前協議 をする制度をつくろうとしています。 「低炭素」「強靱」「快適・健康」の

基本方針ごとに取組み項目をいくつ か設け、取組みレベルの評価に応じ て規制緩和なり補助金なり支援策の 度合いをコントロールしていこうと いう構想を持っています。それによ って全体を誘導していきます。  「発信・交流」プロジェクトとし て国内外へのプロモーションを実施 するとともに、都心エネルギープラ ンの取組みの効果を市民に広報して

いく中で、こうした誘導推進制度も 広めていければと思っています。

佐土原 各項目をどう評価するかと いうことも、これから詰めていかれ るのですね。

髙森 はい。例えば、小規模なビル と大規模なビルが共同で再開発して 1 棟にまとまることは、単独で建て 替えるより高く評価できるだろうと 考えています。地域熱供給への加入 の可能性も高まります。

佐土原 分散電源の活用と面的利用 の推進ということでは、コージェネ と排熱の活用が大きいと思いますが、 コージェネでどのくらいの電力を賄 うイメージですか。

髙森 分散電源については、都心エ リア内で使用してきた系統電力の電 力量の 30%程度を賄うのが目標で す。

 また、その排熱を融通する熱導管 ネットワークの整備や、熱供給事業 のさらなる拡大を図りたいとも考え ております。ただ、北海道熱供給公 社では、高温水の熱供給と並行しな がら分散電源プラントと冷温水の熱 供給の整備を進めていますので、同 じ供給エリアの中で 2 つの供給方法 を重複して運用しなければならない 時期が出てきます。その負担はかな り厳しいと思いますので、例えば、 札幌駅の南側の部分の熱導管の幹線 を公共側のインフラに位置付け、幹 線部分からの引込導管の部分は事業 者が担うという上下分離のような形 の事業体制を考える必要もあるかと 思っています。そうした行政側の役 割に関する議論も出てくるのではと

思います。

佐土原 再生可能エネルギー導入の 構想もあるのですね。そうした電力

も都心エリアで使用されるのですか。

髙森 そうですね。発電の立地はエ リア外になってしまいますが、地域 新電力事業の立ち上げに札幌市も積 極的に関与し、再生可能エネルギー 由来の電力が都心で使われていると アピールできるような環境をつくり たいと考えています。

 熱に関しても、現状では、一部で 木質チップ、建設廃材を活用した熱 供給を実施しています。その取組み も継続していきたいと思っています。

佐土原 都心エリアには、エリアマ ネジメント組織はあるのでしょうか。

髙森 エネルギー面での組織はまだ ですが、「札幌駅前通りまちづくり 会社」と「札幌大通りまちづくり会 社」という 2 つの会社が設立されて います。両まちづくり会社と都心ま ちづくり推進室が、官民連携で都心 の一定エリアのエリアマネジメント を進めていまして、そのことが今年 度、都市計画学会の石川賞をいただ きました。

(9)

髙森 特に熱供給エリアの中心とな る部分は、札幌駅前通りまちづくり 会社の対象エリアになります。今後

の再開発での分散電源プラント整備 や地域熱供給の導入、さらには公共 空間の整備などをまちづくり会社を 介して誘導するのか、市と連携して 進めるのか、そのあたりもこれから の検討課題です。

佐土原 スマートシティ化というこ とで言えば、そのマネジメントにエ ネルギー関係の主体も参加してくる ことになるかもしれませんね。

髙森 そうかもしれません。  なお、スマートシティへの取組み としては、「チ・カ・ホ」内にビー コン(電波発信機)や赤外線センサ

ーを付け、ビッグデータの取得を行 なうとともに、それを活用した様々 なサービスの提供を実証実験中です。  「さつチカ」というアプリの提供 を開始しており、アプリをインスト ールした携帯端末を持っている人が いる場所から直近の車いすで使える トイレ、エレベーターの場所を案内 したり、徒歩で間に合う地下鉄の発 車時刻を表示したり、ということを 行なっています。日本初のエリアマ ネジメントアプリにしたいと思って います。

地域熱供給の認知が必要

佐土原 札幌市の都心エネルギープ ランのような取組みは、他の自治体 でも展開可能と思われますか。

髙森 オリンピックというきっかけ があったり、都心のエネルギー負荷 密度が高かったり、札幌は全国でも 数少ない希有な条件が揃った都市な のかもしれません。

 このような取組みは、どうしても 初期投資が大きくなりますので、事 業性のバランスをよく見ながら、無 理な投資をしないことが大事です。

しっかりとした事業計画を立てて進 められることをお勧めします。また 今回、実際にエネルギー政策関係の 勉強をしてきた中では、地域熱供給 がもう少し一般の方に理解され、世 の中からもっと認知されることが必 要だなと感じました。そして将来的 には、インフラとして熱導管が整備 されていく状況になるとよいなと考 えます。札幌ではそういう形を目指 しているのですが、それが実現でき ると、都心エネルギープランのよう な取組みを実施できる自治体が増え てくるのではないかと思います。

佐土原 インフラとして熱導管の幹 線の整備も考えられているところと いうのは、長年その必要性を議論し てきた私たちにとっても、本当にあ りがたいお話です。札幌市で、先ほ どの 3 つの基本方針の下でこの取組 みが進められ、熱供給幹線の部分が インフラとして整備されるようなこ とが実現すると、全国的に地域熱供 給整備が広がっていくのではないか と期待します。ぜひ頑張っていただ きたいと思います。

対談●これからの地域熱供給を語る④

佐土原 聡 氏 略歴

Sadohara Satoru

1980 年早稲田大学理工学部建 築学科卒業。1985 年早稲田大 学大学院理工学研究科博士課程 単位取得退学。工学博士。現在、 横浜国立大学大学院都市イノベ ーション研究院長・都市科学部長・ 教授。専門は都市環境工学。地 域エネルギーシステム、生態系サ ービス、地理情報システム(GIS) の活用などの観点から、安全で環境と調和した都市づくり・地域 づくりに関する研究に実践的に取り組んでいる。また現在、一般 社団法人都市環境エネルギー協会理事・研究企画委員会委員長 を務める。2013 年日本建築学会賞(論文)受賞。

髙森 義憲 氏 略歴

Takamori Yoshinori

(10)

C

OMMUNICATION

S

QUARE

都市環境エネルギー協会・日本熱供給事業協会共催。

「自治体担当者のための都市環境エネルギーセミナー2017」開催!

(一社)都市環境エネルギー協会と(一社)日本熱供 給事業協会では、平成29年10月31日(火)、東京ガス ㈱本社2階ホールにて、「自治体担当者のための都市 環境エネルギーセミナー2017」を開催しました。当日 は178名の自治体担当者等の参加を得ました。 基調講演として、芝浦工業大学教授 村上公哉氏に 「地域エネルギー事業における自治体の役割」をテー マにご講演いただき、続いて、事例発表3編の講演と、 それぞれの講演後、村上氏を司会として、発表者とのデ ィスカッションを行ないました。続いて、総務省地域力

創造グループの泉水氏より関連政策情報として「分散型エネルギーインフラプロジェクトについて」と題してご 講演をいただき、最後に村上氏と、事例発表3者によるディスカッションを行ないました。

ここでは、それぞれの講演、ディスカッションの内容の一部をご紹介します。

基調講演

「地域エネルギー事業における自治体の役割」

芝浦工業大学 教授 

村上 公哉

地域エネルギー事業の効果を、大 きく「大都市」と「地方都市」に分 けて考えてみると、大都市は国際的 な競争力の強化や、まち間競争のた めに魅力を高める必要があり、低炭 素化やレジリエンス性能向上などが 要素の一つになる。地方都市は、地 域経済の活性化での意義が大きい。 地域エネルギー事業を推進するた めには、大都市では次のような自治 体の役割がある。①開発事業を早い 段階で把握し、まちづくりの初動期 から効果の高い面的な取組みを都市

計画として誘導すること。②公共施 設は率先して熱供給の需要家として 加わること。③その際に公共施設や 一時滞在施設などの BCP 機能向上 や省エネ機能向上を事業者と検討す ること。④未利用エネルギー源の多 くは清掃工場等の公共施設であるた め、その活用を都市計画で検討する こと。

地方都市では、次のような自治体 の役割がある。①地産地消エネルギ ー事業を地域の経済活性化策として 推進すること。②電力小売り事業(地

域新電力)の設立を支援し、出資す ること。③地域新電力の調達電源と して清掃工場等公共施設が有する電 源を提供するとともに、公共施設が 率先してその電力を活用すること。 ④地域新電力の事業が安定した段階 で、街区・地区開発事業発生時にコ ージェネ活用地域熱供給を誘導し、 卸市場から購入する電力とうまく連 系を図ること。

本日の 3 自治体の講演はそれらの 好事例である。有意義なセミナーに したい。

(11)

事例発表①

「池袋のまちづくりと新庁舎建

設における地域熱供給の意義」

豊島区 都市整備部 交通・基盤担当課長

原島 克典

事例発表②

「地域の強靭化に資する地域エネル

ギー供給拠点としての清掃工場整備」

武蔵野市 環境部クリーンセンター 新クリーンセンター建設担当 主査

神谷 淳一

ディスカッション①

司会:芝浦工業大学 教授 村上 公哉 ×

豊島区 原島 克典

豊島区は 2014 年に「消滅可能性 都市」と発表され、「持続発展都市」 への転換を図るために、2015 年に 「国際アート・カルチャー都市構想」

を打ち出した。「文化戦略」「国際戦 略」「空間戦略」の 3 戦略のもと、 世界を視野に置いたまちづくりを進 めている。「空間戦略」には、池袋 周辺のまちづくりなどが含まれてい る。

都市整備に関しては、2015 年 3 月に「豊島区都市づくりビジョン」 を策定し、都市づくり戦略の一つに 「エネルギー効率の高い低炭素型都 市への転換」を掲げた。池袋駅の東 西に地域熱供給があり、都市づくり の動向に合わせて接続を促進してい く。

2015 年 5 月には新庁舎を移転・ 開庁し、グリーン庁舎を目指した取 組みの一つとして地域熱供給を導入 した。屋上庭園の面積を 300㎡ほど 広げる効果を得られたり、空調のラ イフサイクルコストが個別熱源方式 より有利であるなど、意義は大きい。

武蔵野市では、清掃工場の建替え 整備を実施している。平成 29 年 3 月に焼却施設が竣工し、環境啓発施 設等の建設が平成 31 年度まで続く。

新施設のコンセプトは 4 つ。①環 境の保全に配慮した安全・安心な施 設づくり、②災害に強い施設づくり、 ③景観及び建築デザインに配慮した 施設づくり、④開かれた施設づくり、 で、市民も参加して整理していった。 このうち、①と②が地域における強 靭化対策と位置付けられる。

契機は東日本大震災で、「災害時 (長期停電等)にも対応できるシス

テム」を構築することとした。かつ、 廃棄物エネルギーの利活用で「地産 地消型のエネルギー面的利用(熱電 供給)」を実現することとした。主 たる整備内容は、高効率なごみ発電 (2,650kW)と、震災等に強い中圧 ガス管を使ったガスコージェネレー シ ョ ン シ ス テ ム( 以 下 CGS。 1,500kW)の装備である。これによ り平常時も非常時も隣接する公共施 設(市役所、総合体育館、コミュニ

村上 池袋駅周辺は以前から地域熱 供給エリア。庁舎移転・建替えに際 し、都市計画的な施策の中で導入を 意識することはあったか。

原島 移転地は地域冷暖房計画区域 外だったが、都市計画変更をして地 域熱供給を新庁舎に導入した。副都 心を面的に広げる意義もあった。

村上 民間で開発が進む際に、地域 熱供給への接続は区が誘導するのか。

原島 都市計画区域内での一定規模 の開発の場合は、加入を協議してい ただく。区も誘導する役割がある。

村上 他の自治体にアドバイスを。

原島 豊島区は地域熱供給導入を推 進していく立場をとっている。同様 の立場であれば、公共施設では率先 して導入を進めていくべきと考える。

新庁舎建設は池袋駅周辺の特定都 市再生緊急整備地域の指定につなが り、連鎖的に数多くの都市再生プロ ジェクトを生んだ。旧庁舎跡地には、 8 つ の 劇 場 を 持 つ「Hareza 池 袋 」 が開発される。その他に、にぎわい と回遊性を生み出す 4 つの公園整備 も進めている。文化庁主導の国家プ ロジェクト「東アジア文化都市」の 2019 年開催地にも決定した。こう した取組みによって、2020 年に向 けて、まち全体が舞台の誰もが主役 になれる劇場都市をつくり上げてい く。

(12)

C

OMMUNICATION

S

QUARE

ティセンター、広場)へ電気と蒸気 を供給する「自立・分散型の地域エ ネルギー拠点」の整備ができ、これ ら公共施設の非常時の防災拠点とし ての機能維持を可能とする。焼却炉 の運転継続が困難な場合には、CGS 単独運転によって必要な電力・蒸気 を確保する。

今後は、この公共施設エリアを低 炭素化モデル地域とし、さらに効率 的かつスマート(賢い)なエネルギ ー利用を目指し、研究を進めていく。

村上 清掃工場を非常時のエネルギ ー供給システムにすると決めたのは、 市民の意見に影響されたものか。

神谷 高効率ごみ発電として FIT (固定価格買取制度)を活用する計 画で進行していたが、東日本大震災 で計画停電が発生し、市民から災害 に強い施設づくりの要望があがり、 そこから約 1 年半かけて現計画に変 更することとなった。

村上 非常時に清掃工場のごみ処理 機能を継続させるというのは珍しい。

神谷 清掃工場の付加価値向上のた めであり、非常時のエネルギー供給 を実現するために地震に強い中圧ガ ス管とコージェネを導入した。停電 時でも再稼働できることになり、ご み処理機能継続を計画に組み入れた。

村上 ローカルエナジー設立は、最 初から自治体が主導したのか。

鵜篭 平成 22 年に市内の工業団地 の空地に、ある企業がメガソーラー を建設したことがきっかけだ。敷地 の半分は地元企業と太陽光発電事業 をしたかったが、その際はうまくい かなかった。その後、電力の小売自 由化の流れのなかで、再び地元の皆 さんに相談したところ、今度は賛同 を得られたので、総務省の補助金で、 事業の検討を開始した。

村上 ローカルエナジーのような事 業は他の自治体に水平展開可能か。

鵜篭 可能と考える。ローカルエナ ジーの全社員 6 名のうち、4 名は主 婦で完全に素人だった。それでも現 在、電力の需給管理ができている。

事例発表③

「米子市における地域新電力と熱

供給の官民連携推進について」

米子市 経済部 経済戦略課 産業開拓室 室長

鵜篭 博紀

米子市では、地元企業 5 社ととも に、地域エネルギー会社「ローカル エナジー」を設立した。理由は地域 経済活性化で、地域から流出する資 金を、地域内で循環できるようにす るのが狙いだ。米子市のエネルギー 市場は推計で 500 億円であり、その うち電力は 300 億円あると考えられ、 電力小売・卸売事業を実施している。

電力の調達先は、清掃工場のごみ 発電が出力ベースで 4MW、太陽光 発電が約 2MW、バイオマス発電が 660kW、地熱バイナリー発電が少々 ある。不足分は JEPX(日本卸電力 取引所)から調達している。昨年度 実績では全体の 36%が JEPX から の調達であった。現在の供給先は公 共施設が 388 カ所で、その他に、地 域の小売電気事業者を通して事務所 等の民間施設、住宅と約 5,000 件の 契約を結んでいる。契約電力の合計 は約 37MW である。旧一般電力事 業者や外部の PPS(小売電気事業者) のバックアップは受けていない。電 力の需給調整は自社で行なっている。

ローカルエナジーは、この他に、

鵜篭氏

地域熱供給事業、電源熱源開発事業、 省エネルギー改修事業、次世代エネ ルギー実証事業、視察受入/コンサ ルティングの事業領域を定款に定め ている。地域熱供給事業は、皆生温 泉エリアの一部にコージェネを設置 し、熱電併給の形で実施することを 検討中である。熱の需要家は病院と 市民プールの 2 件からスタートし、 エリアを拡張していく構想だ。

ディスカッション②

司会:芝浦工業大学 教授 村上 公哉 ×

武蔵野市 神谷 淳一

ディスカッション③

司会:芝浦工業大学 教授 村上 公哉 ×

(13)

関連政策情報

「分散型エネルギーインフラプロジェクトについて」

総務省 地域力創造グループ 地域政策課 理事官 

泉水 克規

泉水氏

ディスカッション

総務省では、地域のエネルギー 資源を活用した地域経済循環の創 造を支援するために、「分散型エ ネルギーインフラプロジェクト」 を推進している。エネルギーの地 産地消プロジェクトを次々と立ち 上げることにより、エネルギーに 関する資金をその地域内で循環さ せ、地域経済を活性化させようと いうのが理念だ。そうした地域エ ネルギー事業を立ち上げるための

村上 豊島区では、地域熱供給の活 用に関して、まちづくりに関わる各 主体が議論するような場はあるのか。

原島 地域熱供給に関してはないが、 お祭りなど、街を盛り上げる方法に ついては、皆さんと共に考えている。

村上 池袋駅周辺は地域熱供給エリ ア。地元の人に認識されているか。

原島 認識の広がりはそれほどない。

村上 武蔵野市の清掃工場を使った 非常時のエネルギー対策は、他の自 治体に水平展開できるか。

神谷 公共施設など需要地が周囲に

自治体のマスタープラン策定を、 交付金により支援している。

自治体は地域エネルギー事業会 社設立に出資し、清掃工場等のエ ネルギー源の供給もでき、大口需 要家となることもできるため、大 きな役割を果たせる。

平成 26 年度〜 28 年度にマスタ ープランを策定した自治体は 39。 今後は策定されたマスタープラン を事業として実現していくことが

課題である。関係省庁でタスクフ ォースを組み、コンサルティング 機能やアドバイス機能等を充実強 化していく。

4者ディスカッション

「地域エネルギー事業における自治体の役割」

司会:芝浦工業大学 教授 

村上 公哉

パネラー:豊島区 

原島 克典

     武蔵野市 

神谷 淳一

     米子市 

鵜篭 博紀

迎施設と捉えられれば、周辺住民の 支持も得やすくなるのではないか。

村上 清掃工場を見学可能な開放施 設にしたのは、市民の意見からか。

神谷 市民と市の両者の意見である。 全市民に必要な施設であると理解し ていただくために必要と考えた。

村上 米子市のローカルエナジー設 立は地域経済活性化が目的。その目 的は、市民に浸透しているのか。

鵜篭 まさに同社の今の課題だ。地

元のために設立したと理解されてい なければ、さらに料金が安い電力に 切り替えられてしまう。市民にファ ンになってもらう取組みを始める。

村上 地域エネルギー事業の普及・ 実現は、自治体の支援が必要。都市 整備、まちづくりと一緒に進めてい かないと難しい。地元住民に存在を 認識してもらうことも大事と感じた。 事業者がタウンマネジメントの主体 の一つになっていくことが大切だ。 あることが重要。迷

(14)

して補助を行なうものである。このように、前号(103 号) で掲げたエネルギーの有効利用のみならず、災害時にお ける地域の自立性向上に向けても、地域熱供給(地域冷 暖房)のポテンシャルを活用した都市のエネルギーシス テム形成が求められている。

一方、2017 年 4 月に施行された建築物省エネ法では、 計画する建物の一次エネルギー消費量を算定し、基準に 満たない場合には建築確認申請が取得できないなどの新 たな規制が設けられた。しかし、この法の算定方法では、 地域熱供給システムから熱の供給を受ける場合に、その 効率値は個別熱源を持つ場合と比較して優位性がなく、 建物側では地域熱供給システムを導入するインセンティ ブが生じ難いという現状がある。これに対して、省エネ 法では 2017 年の定期報告からは、CGS 排熱を未利用熱 としてゼロカウントできる制度(未利用熱活用制度:エ ネルギー消費原単位を算出する際に、購入した未利用熱 をエネルギー使用量から差し引くことができる)が創設 されており、CGS を活用した地域熱供給システムにお ける熱の評価価値を高めることが認められた。

このような現状から、その普及を促進するためには、 地域熱供給システムの適正なエネルギー評価が必要であ

都市の環境性向上と

省エネルギー推進を考慮した

地域熱供給システムの展望

省エネルギー・省 CO

2

を含む多面的な観点からの

地域熱供給システムの評価②

連 載

第 4 回

最 終 回

1.はじめに

2011 年に発生した東日本大震災を契機に、国土政策 や産業政策も含めた総合的な対応により大規模自然災害 に備える「国土強靱化」の理念が普及し、2013 年末に 国土強靱化基本法が制定された。各都道府県では、この 基本法と協調する国土強靭化地域計画を策定し、関連す る対策を講じている。例えば、東京都では、業務用コー ジェネレーションシステム(以下、CGS と略す)の設 備容量を 2024 年に 2012 年度比で倍増する計画(東京都 長期ビジョン)の実現や、エネルギー供給の多様化を図 るため、災害時のみならず、平常時においても活用可能 な高効率 CGS や自家発電機による電力確保など、自立 分散型エネルギーの利用拡大に取り組んでいる。また、 国土交通省の施策においても、同様にエネルギーの自立 化や多重化を図り、大都市の国際競争力の強化や都市の 防災性向上を促進することを目的に、CGS をコアシス テムとする業務継続地区(BCD:Business Continuity District)の構築が推進されている。これは、都市機能 が集積しエネルギーを高密度で消費する特定都市再生緊 急整備地域において、災害時の業務継続の確保に資する エネルギーの面的ネットワークの整備に必要な事業に対

国立大学法人 東京海洋大学

学術研究院 海洋資源エネルギー学部門 教授

亀谷 茂樹

(15)

る。プラントにおけるエネルギー効率の評価は、プラン トでの製造熱量を、エネルギー消費量の一次エネルギー 換算値で除する必要があり、また、他のビルから排熱を 融通するケースでは、プラント外に設置された CGS の 排熱を購入しているため、購入熱の一次エネルギー換算 のために、CGS から供給される排熱分のエネルギー使 用量を算出する必要がある。

そこで、本稿では、CGS への入力エネルギー消費を 発電分と排熱分に配分する各種の算定方法を示し、それ ぞれの効率値に与える影響を検証することとする。

2.CGS入力エネルギーの排熱・発電按分方法

CGS のエネルギー使用量を電力分と排熱分に配分す る方法については、空気調和・衛生工学会の地域冷暖房 計画技術検討小委員会の報告1)および村上公哉氏らの

研究2)により、図 1に示すような 4 通りの方法が提示

されている。なお、同図では 100 の入力エネルギーに対 して、電気 30、熱 35 の出力となる CGS を想定している。 また、前出の参考文献 1)、2)では代替ボイラの効率に 0.8 を用いているが、本稿では省エネ法の定期報告書記 入要領3)での値(1/1.36 ≒ 73.5%)を用いた。

2.1 CGS 出力基準按分法

CGS が出力した有効発電量(二次エネルギー換算) と有効排熱回収量の比率を基準に、CGS 入力一次エネ ルギー量を按分する方法である。したがって、按分は CGS の有効発電効率と有効排熱回収率の比率で行なわ れる。この方法は、省エネルギー効果に対する電力利用 と排熱利用の寄与率が各出力量の大きさに相応するとい う考え方に基づいているが、電気と熱の価値を等価とし ており、電気利用と排熱利用の省エネルギー効果の反映 という点で矛盾(排熱利用が省エネルギーとならない) が生じる。

2.2 代替発電・排熱システム入力基準按分法

CGS の代替システムとして、発電電力は代替発電所 (一般に系統電力)、また、回収排熱はボイラと設定し、

有効発電量と有効排熱回収量をそれら代替システムで出 力する場合の入力一次エネルギー量を算出した後、両者 の比率を基準に、CGS 入力一次エネルギー量を按分す る方法である。この方法は、省エネルギー効果に対する

電力利用と排熱利用の寄与率取得価値(代替システムへ の各入力量の大きさ)に相応するという考え方であり、 例えば、東京都の算定方法はこの方法を採用している。

2.3 代替発電システム入力差引法

CGS が出力した有効発電量を代替発電所(一般に系 統電力)で出力した場合について、その一次エネルギー 量を “ 発電相当分 ” とみなし、CGS 入力一次エネルギー 量からそれを差し引いたものを “ 排熱相当分 ” とする方 法である。ただし、CGS の有効発電効率が代替発電所 の受電端効率を超える場合は、差し引きの値がマイナス

図1 CGS入力エネルギーの電力・排熱配分方法

※電力と熱のそれぞれの効率:参考文献2)芝浦工業大学 村上公哉氏の論文 値を引用・試算

力 エネルギー

力 エネルギー

電・ 熱 ス 力

力 エネルギー

を 力

イ イ

電 電

力 エネルギー

力 エネルギー

力 エネルギー

電 ス 力

力 電

力 エネルギー

熱 ス 力

力 イ

力 エネルギー

(16)

分法である。この方法は、CGS 全体を熱生産主体のシ ステムと見て、電力を熱生産に付帯して獲得できるエネ ルギーとしてとらえていることを意味するが、現実的に このようなシステムの想定は困難であり、合理的な手法 とは言いがたい。

3.按分法の相違による効率値の変化

図 1に示した計算法のうち、実際に適用されること が想定される「2.代替発電・排熱システム入力基準按 分法」および「3.代替発電システム入力差引法」の 2 つの計算法を用いて、CGS におけるエネルギー消費量 を発電分と排熱分に配分し、それぞれの入力値と出力値 から一次エネルギー換算係数を求めた結果を表 1に示 す。なお、想定したシステムの詳細は、前号(103 号) で用いたものと同一(表 2)で、これを参照されたい。 また、この試算では排熱のカウントに関連する Case4 のみを取り扱った。

「2.代替発電・排熱システム基準按分法」による電気 と熱の配分から計算した発電効率はそれぞれ Case4- ① が 41.0%、Case4- ②が 40.4% となり、計算に用いた CGS

の定格発電効率(30%)よりも高い評価となった。この 時の発電分の一次エネルギー換算係数はそれぞれ① 8.77MJ/kWh、② 8.92MJ/kWh となる。省エネ法などの 関連計算では、系統に接続された発電装置による電力は 9.76MJ/kWh で一次エネルギー換算されることから、こ の算定方式では CGS の省エネ性は発電側でより多く評 価することになる。

一方、「3.代替発電システム入力差引法」では電力の 一 次 エ ネ ル ギ ー 換 算 係 数 は 系 統 電 力 と 同 一 の 9.76 MJ/kWh であり、CGS の省エネ性は排熱分で評価され る。実システムにおいても、CGS の省エネ効果は、発 電時に発生する排熱を活用することによりもたらされる ことから、その効果が正しく評価できているといえる。 現行の省エネ法では、建物・プラント外との電気のやり 取りは基本的に固定された一次エネルギー換算係数を用 いることが定められており、Case3 のように、CGS 電 力を外部送電するケースにおいても、CGS 電力を受け る建物で送り側と受け側のエネルギー量が一致するこの 算定方式が妥当である。また、前述の未利用熱活用制度 では、未利用熱であるガスエンジン排熱を受ける側は、

表2 試算に用いた熱源構成

各ケースの概要 イメージ図

Case1:CGSなしの一般地域熱供給システム CGSの導入なし(基準ケース) Case2:CGS導入、プラント給電ケース

CGSを導入するとともに、ターボ冷凍機を 1台追加したシステム。CGSは8時~18時の 運転とし、発電負荷率50%未満の場合は運 転を停止する。系統への電力逆潮流はない。

供給範囲:需要家への熱供給

電力

都市 ス

熱 地域熱供給

Case3:CGS導入・逆潮流ケース

Case2と同一のシステムであるが、CGS運 転を8時~22時とし、排熱利用の温熱負荷が 50%以上ある限り運転を継続し、余剰電力 は系統へ逆潮流する。

供給範囲: 需要家への熱供給および余剰電力 を系統へ逆潮流する

電力

熱 地域熱供給

都市 ス

Case4:他ビルにCGS導入・排熱融通ケース 例えば、需要家AにCGSを導入し、ビルへ 電力を供給するとともに排熱をプラントに融 通する。CGS運転を8時~22時とし、発電負 荷率50%未満の場合は運転を停止する。系 統への逆潮流はなく、CGSの設置台数を以下 の2通りとする。

Case4-①:CGS 1台 Case4-②:CGS 3台

供給範囲:需要家への熱供給

     および需要家Aへの電力供給

電力

都市 ス

の 地域熱供給

表1 計算法の相違による入力配分値と一次エネルギー換算係数 一次エネ

ルギー消 費量 [GJ]

発電量 [MWh]

排熱利 用量 [GJ]

代替入力値 [GJ]

入力配分値 換算係数

2.按分法[GJ] 3.差引法[GJ] 2.按分法 3.差引法

発電分 排熱分 発電分 排熱分 発電分 排熱分 発電分 排熱分 発電分 排熱分

Case4-① 18,387 1,891 1,473 18,453 2,004 16,586 1,801 18,453 0 8.77 1.22 9.76 0.00

Case4-② 51,042 5,191 3,832 50,660 5,212 46,280 4,761 50,660 382 8.92 1.24 9.76 0.10

となるため、この場合は、CGS 入力一次エネル ギー量のすべてが “ 発電相当分 ” となり “ 排熱相 当分 ” はゼロとカウントされる。この方法は、 CGS 全体を発電主体のシステムと捉え、排熱を 発電に付随して得られるエネルギーとしてとらえ ているため、発電部分に省エネルギー効果は発生 せず、排熱部分で省エネルギー効果がもたらされ ることとなる。省エネルギー法においても、系統 電力の一次エネルギー換算係数は一定であること から、合致する考え方である。

2.4 代替排熱システム入力差引法

(17)

エネルギー消費原単位の計算においてこの未利用熱分を 差し引くことができ、実質的に排熱エネルギーをゼロカ ウントできる。したがって、CGS の省エネルギー分を 排熱利用で評価する点において、本制度の主旨とも一致 する。

4.計算事例によるプラント評価

表 2の全ケースについて、「2.代替発電・排熱シス テム入力基準按分法」と「3.代替発電システム入力差 引法」の 2 つの計算方法を用いてプラント効率などを算 定した結果を表 3に示す。ここで、プラント効率とは、 東京都によるエネルギー効率の定義に従い、販売した熱 量をプラントにおける一次エネルギー消費量で除算した 値とした。

Case2 および Case3 では、電気および排熱は地域熱供 給プラント内で消費される、あるいは電力のみ外部に送 出されるため、地域熱供給システムのプラント効率は計 算方法によって変わることはない。

プラント効率は基準である Case1 の 0.59 から、CGS 導入等により Case2 の 0.83 となり、余剰電力を系統に 逆潮流する Case3 では 0.92 となる。

需要家 A に CGS を設置し、排熱を融通する Case4 に おける両計算方法の比較では、CGS 容量が大きい Case 4- ②で 7 ポイント程度の効率値の差異が生じる。

5.まとめ

地域熱供給プラントは、本来、熱供給のエネルギー効 率で評価され、かつ、排熱の適正な評価が行なわれるこ とが望ましい。これらの地域熱供給に関する基本的なコ ンセプトをまとめると以下の通りである。

1)地域熱供給では、そのエリア全体で熱をベースとし たやり取りを行なっていることから、地域熱供給プラ ントと建物がそれぞれ一体的に繋がった街区単位での

亀谷 茂樹 氏 略歴

Kametani Shigeki

京都市出身。1980 年運輸省入 省後東京商船大学助手、神戸 大学講師、東京水産大学(現・ 東京海洋大学)助教授などを経 て現職。工学博士。研究領域 は熱環境工学。都市熱環境緩 和に関する研究、個別分散空調 機のオンサイト性能評価法の開 発など業績多数。空気調和・衛 生工学会学術論文賞受賞。東 京都地域冷暖房指定委員会委 員長。

バウンダリー(境界設定)が必要であり、建物単体で はなく、その連続空間の中で適正な評価手法を採用す ることが望ましい。

2)CGS は排熱を利用することで省エネルギーシステ ムとして成立するため、排熱を有効活用するサイドが その省エネ価値を享受できる評価がなされるべきであ る。

3)CGS は LNG などのエネルギー源から電力および熱 を製造するものであり、一次エネルギー消費量ベース での電力分と排熱分をどのように配分するかは前述の 通りである。特に、近年は高効率 CGS が採用される ことが多く、一次エネルギー換算での電力と熱の配分 における適正な熱の評価は、地域エネルギー供給にお ける CGS への価値が向上し、同システムの導入機運 が一気に加速されるものと考える。

[参考文献]

1)公益社団法人空気調和・衛生工学会「地域冷暖房計画技術検討小委員会成 果報告書」第 1 編(WG1)コージェネレーションの効率の評価ガイドライン、 2007

2)村上公哉、 川島尚子、 榎本裕一「コージェネレーション効率の評価法に関す る研究 :(第 3 報) コージェネレーションの発電電力と排熱の一次エネルギー 換算方法とその適用が熱源システムの効率に与える影響」公益社団法人空 気調和・衛生工学会 学術講演会論文集 vol.19、No.2、pp.831–834、 2007

http://ci.nii.ac.jp/naid/110009776449(参照 2016-06-05) 3)資源エネルギー庁「エネルギーの使用の合理化等に関する法律 第 15 条及

び第 19 条の 2 に基づく定期報告書記入要領」平成 29 年 8 月 4 日 http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/ saving/procedure/pdf/teiki_kinyuyouryou.pdf(参照 2016-06-05) 表3 CGS入力エネルギーの配分方法の相違によるプラント評価

プラント電気・ ガス分

2.代替発電・排熱システム入力基準按分法 3.代替発電システム入力差引法

融通量 合計 削減率 プラント効率 融通量 合計 削減率 プラント効率

[GJ] [GJ] [GJ] [%] [─] [GJ] [GJ] [%] [─]

Case 1 94,460 ─ 94,460 ─ 0.59 ─ 94,460 ─ 0.59

Case 2 66,737 ─ 66,737 29.3% 0.83 ─ 66,737 29.3% 0.83

Case 3 67,717 -6,895 60,821 35.6% 0.92 -6,895 60,821 35.6% 0.92

Case 4-① 62,444 1,827 64,271 32.0% 0.87 0 62,444 33.9% 0.89

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鈴木 邦彦

お仕事の主な内容を教えて下さい。

鈴木 「安全・安定供給の継続」お よび「プラント効率の向上」に係る 全ての業務を担当しており、蓄積さ れた運転データや不具合履歴を分析 して修繕箇所の優先度を判定し、計 画的に安全性と効率性を追求してい ます。また、ISO14001 と同様のコ ンセプトを持つ「KES 環境マネジ メントシステム」の実行責任者でも あり、弊社の環境改善に向けた取組 みの PDCA サイクルを循環させる など、地球環境問題にも取り組んで います。

お仕事に活かしているあなたの強 みや特徴を教えて下さい。

鈴木 前職でホテル、病院、美術館 など多岐にわたるビルの設備管理員 として空調管理を担当してきたのが 強みです。需要家側の空調機器の運 転事情を熟知しているので、熱源機 器の運転計画を立てる際には供給側 と需要家側の両方の視点に立ち、一 方の設備に負担がかからないような

配慮ができます。また、熱源機器や 空調設備の管理保全で実際に身体を 動かしてきた経験が、機器の修繕や 更新時期の見極めに役立っています。

お仕事の楽しさ、やりがいなどを 伺わせてください。

鈴木 プラントの運転業務は協力会 社に委託しており、大切なパートナ ーであると同時に良きライバルとい う関係を構築できています。お互い が競うように安全対策や効率改善に ついての提案を行ない、技術・技能 を高め合っています。私も日々勉強 に努め、前職での知識や経験も活か して真剣勝負に臨み、今後ともこの 関係を維持できるようにしていきた いと思います。

今後の目標をお聞かせ下さい。

鈴木 弊社では「安全・安定供給の 継続」という最重要テーマのほか、 地域熱供給が地球環境保全に寄与す ることを広く世の中に発信するため にも、「プラント効率の向上」も重 要課題として位置付けています。そ のためには、熱源機器単体のレベル においても省エネ性を高めていく必 要があります。たとえわずかずつで も絶えず効率向上を積み重ねるため に、社員一同、知恵を出し合ってい ます。今後とも環境にやさしく快適 な都市空間を創造するエネルギーサ ービス企業となることを目指し、持 続可能な未来の実現と地域・社会の 発展に貢献していきます。

「 需要家側の空調運転事情を熟知。

供給側と需要家側の視点から配慮ある運転計画を立案」

大阪エネルギーサービス株式会社

技術企画部

強 み ホ ル ダ ー 編

Voice

鈴木 邦彦 氏(Suzuki Kunihiko)略歴

1995年経済学部卒業後、スイミングスクー ルのインストラクターをしながら1998年に 工学部電気工学科に学士編入し、2002年卒 業。2009年12月大阪エネルギーサービス㈱ 入社。今は妻と9歳、3歳になる子どもたちと 遊園地に行ったり、一泊で旅行することが楽 しみです。

月例技術検討会議で提案を行なう鈴木氏 (取材:小林信二 広報委員)

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落合 祐介

お仕事の主な内容を教えて下さい。

落合 私は 2008 年に入社し、施設 部でプラント設備の運転や整備作業 を経験した後、企画部で新規事業の 企画、行政対応、既存設備の更新検 討に関する業務に携わりました。現 在は再び施設部に所属し、プラント 設備の修繕工事を主な業務としてい ます。また、大規模な熱源設備更新 工事や新規のプラント建設工事では 工事管理を担当します。

お仕事に活かされているあなたの 強みや特徴を教えて下さい。

落合 私は施設部、企画部で様々な 業務に携わってきましたので、特に 新規のお客さま加入時のエネルギー 収支の検討など導入計画、都市計画 決定等の行政手続き、熱源設備およ び洞道の設計・工事管理といった、 供給開始に至る一連の業務を、事務・ 技術の両分野で経験しています。そ れが私の強みです。今後は、現場の 実状を踏まえた熱源設備の効率的な 運用方法を習得し、新規のお客さま

加入や熱源設備更新時の検討に活か していきたいと考えています。

お仕事の楽しさ、やりがいなどを 伺わせてください。

落合 約 10 年の業務の中で、「地域 熱供給」という言葉はご存知でも、 具体的にはイメージできないという 方々に多く出会ってきました。そこ には、加入を検討されているお客さ まや行政手続き等の担当者の方も含 まれます。その方々の理解を得るに は、実際に見ていただくことが一番 と考え、プラント見学会を開催して おります。私が工事管理を担当する 現場でも、近隣の方々に騒音などで

今後の目標をお聞かせ下さい。

落合 現在、既存のお客さまである 東京医科大学病院様の新病院建設に 伴う新プラント建設を担当していま す。無事に 2019 年予定の竣工日を 迎えることが当面の目標です。また 将来的には、これらの経験をもとに 技術的な知識と対応力を磨き、さら に会社の事業全般を引っ張っていけ るような人材となることが目標です。

「 営業折衝から供給開始までの一連業務を事務・技術の両分野で体験。

この強みを多くの人々に“熱供給のよさ”を伝えることに活用」

新都市熱供給株式会社・新宿熱供給株式会社

施設部 主任

強 み ホ ル ダ ー 編

Voice

落合 祐介 氏(Ochiai Yusuke)略歴

2008年4月1日入社。工学院大学大学院工 学研究科修了。2級ボイラー技士、エネルギー 管理士保有。趣味はゴルフ&登山。

(取材:齋藤 慎 広報委員)

見学会対応中の落合氏

参照

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